肥満は心血管疾患の危険因子

肥満は心血管疾患の危険因子として知られている。
しかし、肥満と脳血管疾患の関係を調べた研究では、一致する結果は得られていない。
BMI、ウエスト周囲径、ウエスト/ヒップ比と脳卒中リスクの関係を調べた結果、男女ともに
全脳卒中、脳梗塞リスクとBMIの間には有意な関係があること、腹部肥満は、男性でのみ
全脳卒中、脳梗塞の危険因子であることが示された。


フィンランドHelsinki大学のGang Hu氏らの報告で、詳細はArch Intern Med誌
2007年7月9日号に掲載された。

研究者たちは、フィンランド国内5カ所で1972年以降に行われた6件の研究の被験者の中から、
冠疾患、脳卒中の既往がないなどの条件を満たした25〜74歳の4万9996人(男性2万3967人、女性2万6029人)
を分析対象とした。


前向きに2004年末まで追跡。
肥満の指標であるBMI、ウエスト周囲径、ウエスト/ヒップ比と、
全脳卒中、脳梗塞、脳出血罹患率の関係を、Cox比例ハザードモデルを用いて評価。

年齢、試験登録年度、喫煙、運動、学歴、脳卒中家族歴、飲酒で調整したハザード比を求めた。
ウエスト周囲径は肋骨下縁と前上腸骨棘の中間の高さ、ヒップは、大腿骨大転子部で周囲径が最も
広い部分を測定した値とした。

19.5年の追跡の間に3228人が脳卒中を罹患。
674人が脳出血、2554人が脳梗塞だった。全脳卒中では、体重が正常域(BMIが18.5-24.9)の男性群を
基準とすると、低体重群(BMIが18.5未満)のハザード比は0.74(95%信頼区間0.18-2.96)、
過体重群(25.0-29.9)では1.23(1.10-1.37)、肥満群(30.0以上)は1.59(1.37-1.83)となった。


女性でも同様に全脳卒中のハザード比を推算。低体重群1.87(1.12-3.14)、過体重群1.08(0.95-1.22)、
肥満群1.30(1.14-1.50)となり、低体重群のリスク上昇が大きかった。

脳梗塞についても同様の傾向が見られ、男性ではそれぞれ、0.49(0.07-3.50)、1.27(1.12-1.44)、
1.70(1.45-2.00)、女性では1.81(0.97-3.41)、1.11(0.96-1.285)、1.41(1.21-1.64)となった。
収縮期圧、総コレステロール値、糖尿病歴を調整に加えると、リスクは小さくなったが、有意性は保たれた。


脳出血とBMIの間には、男女ともに有意な関係は認められなかった。
しかし、女性では、BMIの区分をより細かくすると、ハザード比は統計学的に有意なU字型カーブ(傾向性のp=0.004)を
描いた。
BM Iが23.0-24.9を参照群とすると、18.5未満の調整ハザード比は2.90(1.14-7.40)、
18.5-22.9なら1.91(1.30-2.79)、BM Iが35.0以上では1.94(1.16-3.25)と有意かつ大きなリスク上昇が見られた。


BM Iを連続変数とすると、1U 増加あたりの全脳卒中ハザード比は、男性が1.04(1.03-1.06)、
女性は1.03(1.02-1.04)、脳梗塞では男性が1.05(1.04-1.07)、女性は1.04(1.02-1.05)となった。

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